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陽子 [本]

久しぶりに、十二国記を読んで。
で、やっぱりほとんど全部を読むことになり。
で、感想を書いてみることにしました。

しかしまあ、今更、話の展開についてどうのこうのは書かないことにします。
あらすじもなしで。
だって、面白いのはもうわかりきったことですし、別にいらないでしょう。



陽子のことは、とても好きなんです。とはいえ、まあ読んだことのある皆さん全員好きでしょう!!
私は、始めの、暗―いとこの陽子も、後の、国を率いてる勇ましい陽子も、どっちも好きですねー。どちらも素敵。











しかし、陽子はとても強くて、真っ直ぐで、澄んだ瞳をしていて。
だから、私などにはとても手の届かない存在なので(王なのだから、元々の存在が遠いんですけども)。
少し、どうしたらいいんだかわからない部分もあるにはある。ような。
黎明、の鈴や祥瓊の選択にも思ったんだけど、だから、何度も何度も読んだし、今も読むんだけど、何がどうなんだか、うっかりわからないような。
そういうこと、で、は、済ませないような済まされないような、いろんなことが細かく書かれてる作品なので、きっとどうにかおさまる場所が用意されているのだろう、といろいろ探してみて、ここかもしれないと入れてはみるんだけど、読むたびに何だか今までのそれが違う気がして、結局それを取り出して手に持ってなんというかしばらく途方に暮れる。暮れてしまう自分がいる。
過程、が、そんなない気がする。
ううん。私が、私の、ひねくれ度合いが高いからかもしれない。
いや。んなもん、そのひと自身じゃなきゃわかんないものだからなのかもしれない。そうなのだろう。だから。私に、わかりえるはずもないのかもしれない。そうなのかもしれない。

いやいや、もしかしたら、わざわざそうなっているのかもしれない。
そんなこと、そんな重要な重い苦しい大きなことは、簡単には知ってなどいけないのかもしれない。実際に経験して知るべきだからなのかもしれない。

とにかく、何度も何度も読む。
何かがつかめるかもしれないと、思って。
何かがキラリ光るのを感じて、その光が目の中に残るかもしれないと、期待して。


陽子の素晴らしさには、全然追いつけなくて、もうとんでもなく遠く背中なんかとっくに見えないので。
逆に、寂しい。
ほっとんど誇らしい、んだけど、ずっと微かに寂しい。
もう、ひとじゃあないからなのかもしれないけど。
王だからなのかもしれないけど。
かっこよくてかっこよくて、大好きなのは、本当に本当なんですけどね!




「麒麟が王を選ぶのは、男が女を選ぶのに似ている」
と言ったのは、延王尚隆ですが。
王と麒麟の関係を、そうも考えたりもして、とても面白く。

特に、最近は陽子と景麒の関係が面白くてならない。
一番好きかもしれない。
その次には、恭のふたりか(なぜなら珠晶が好きだから。供麒がどんな性格なのかもっと知れたら、この順位は変わる気がする)。
最初の頃は、六太が大好きで(今も麒麟では一番好き)、だから雁。


陽子と景麒は、全然合いそうもない感じなのに、あっけなく合っていて、それがすごいなあと思い、面白い。
一歩間違えれば、もうダメな感じがすごくあるのに、絶対に踏み外さないところがすごい。間違えない。
というか、そういうふらふらした危ない感じが、景麒には好みなんじゃないかと思ったり。で、最後には絶対に期待を上回る。
それもそれが、天然で。全部が全部。
違うかもしれないという、不安とか疑念とか、そういうのが一転して安心というか再認というか。
で、天然だからこそ、もう逃れられない、というか。

陽子にとってはどうなのかよくわからないけど、景麒にとって陽子はとっても好みの性格なんだろうと。


麒麟は、皆、本当に王のことが好きですよねえ。
めろめろ、というか。もう本当に下僕というか。

というか、陽子に対する、景麒の思いのいろいろを読んでいると、王に惚れてしまいたいんだなあとか思う。
待っているのかもしれないと思う。いつだって。
王の行動に、言葉に、惚れさせてほしいんだなあと。
どうにもならないくらいまで、心酔させて欲しいんだなあと思う。
誰に何を言われようと、王に選んだことを、王に選んだ自分を、信じられる、ようにさせて欲しいんだろうなあ、と。
もう奥ではもう定まっているから、そのわかりやすい証が欲しいのかもしれない。
だから、なんだって。


景麒は、素直じゃないので、いっつも何だかちょっと怒ってたりするけど。
それもとてもかっこいいですよねー。
陽子にそれが通じてるかはあんまりそうでもないこともあるでしょうけど、だって真面目だしねー。
でもそういう言い方しかできないのは、わかっていることでしょう。
でも、だからこそ、陽子が心底大事なんだなあ、とも感じる。
誰より近くに、いつだってそばにいたいんだろうなあ、と思う(とはいえ素直じゃないので、結構無理して離れたりしてるかも)。

麒麟って、弱いですね。
弱くて、とても愛らしい。

言葉が足りない、と悔いていたけど、その言葉の裏には、わずかな言葉で全てわかって欲しいという思いがあったように思う。
なんて馬鹿みたいに、可愛いんでしょうか。
不器用すぎるところが、とても素敵です。

景麒は、陽子を見つけられて良かったですね。幸せですね。
陽子なら、慶を立て直して、良い国にしてくれることでしょう。
期待を、より上回るという良いかたちで、何度も何度も裏切り続けてくれることでしょう。



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