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追憶の罠 東鎮侯変死事件  女王陛下シリーズ 外伝2 [範国]

辣腕政治家、東鎮侯マーガレットさまの、謎の過去が明らかになります!


つっても、まあ、別れた夫(?)の宇国の軍師さんとのことなんですけども。
しかし、不思議ではありましたよねー。
重職である東鎮侯の旦那さんが(だったひと? が)、どこをどうして他国の軍師なんかになっているのか。
それも、なんだかマーガレットさまご自身は、そのことをそんなに悪く思ってないっていうか全然気にしていない気にかけていないように、思えていたので。っていうかかなり友好的だったし。
あのとてつもなく頭の切れるマーガレットさまですから、時代の流れを予期していて、わざわざ夫を追い出したんじゃないか、とまで私は思ったりしてたんですがー(宇国に縁を持つために石を投げておいたのではとか)。
つまり、それやこれやあれや、の謎が明らかになります。
マーガレットさまの、お相手である、ただいま宇国軍師フランシス・穆さんがどんな方なのかもよりよくわかってきますよ。
おふたりの出会い、とか。結婚に至るまでのいろいろ、とか。
もちろん、それが別れとなって、しまうその原因も。

ま、これも、範国軍師さまのときの事件(外伝1)と同じで、天の采配なのかもですねきっと。
こうなるのが運命だったんでしょう、フランシスさんの(マーガレットさまのために範国のために、そうなっているのでしょう。基本的にマーガレットさまにはフランシスさんがもしも存在していなくたって、歩まれる道はさほど変わりはなかった気はしますもんね。すんなり東鎮侯になられていたと。とはいえ、マーガレットさまご自身にとってとても影響があったことでしょうし、それはとてもプラスだったと思います)。


秋津透
追憶の罠 東鎮侯変死事件  女王陛下シリーズ 外伝2



付け加え。
東鎮侯変死事件、となってますが。
東鎮侯マーガレットさまが亡くなるということではありません。マーガレットさまの前の東鎮侯さまの事件のことについてなのです。
マーガレットさまはご無事なので、ご安心を!



ところで。
範国って、『女王陛下シリーズ』って、何? と思われた方は →こちら をどうぞ




ここからは、ネタバレ有りです。
とはいえ、何がネタバレで何がネタバレじゃないのか、というのも悩むところなのですが(笑)。
ちなみに、一番のネタバレのところは書いてはいません。









読んで、の、正直な感想といえば。
マーガレットさまは、わからん!!
ということ、でした。

だって、裏の裏の裏の裏の裏の裏の裏まで読んでいそうな、今表なんだか裏なんだかはっきりしない、えーっと裏って一体何? じゃ表って何さ? っ的な、いやはやぐったりの、とんでもない優れた策士な御方なんですもの!!
私に、その真のお気持ちなんかわかるものですかっ、てんだ。わかるわけないんですよっっ。

しかしまあ、マーガレットさまが、フランシスさんを好きになったのはわかる気はする。憂いのある美男子だそうですし。
名家のご息女であらせられるわけですし、箱入りなわけですし、接することのできた男子なんて数少ないんでしょうし、そのなかでかっこよくて頭も良くてきちんと討論できる相手、であったフランシスさんに好意を持たれたというのは当然といえば当然。
その好意が本当に、恋、とまでご自身でがっちり認められるまでだったかどうかというのは、これは不透明ですが。
でも、そんなときに、例えお父上のご遺言(疫病『男殺し』で亡くなる)であったとはいえ、くだらない男と政略結婚させられ(しかしこれまた疫病ですぐに死んじゃうんですけども。ですから結婚してても実態は全くナシ)、もう二度と自分の望まない夫を押し付けられたくないというのは、すごくよくわかり。
なら、フランシスさんを夫にしてしまえ、ってのもわかる気がする。
ええい、いてまえ!! 的な。

ううん、そういうのも、含めてじゃなきゃ、フランシスさんに告白できるようなタイミングでもテンションでもなかったんだと思う。
もっと、恋、って大盤振る舞いで認めなきゃなんない状況まできてたら(お互い両思いだってわかってるくらい)、そりゃマーガレットさまももっと素直に普通に、お気持ちをおっしゃったんでしょうがそうじゃなくて、状況はとんでもなく速く流れてて、告白してそれを受けて、で付き合ってそれから結婚、みたいなことを順序立ててできるようなわけにはいかなかったんでしょう。
それに、プライドもあったでしょうし、ねえええ。
貴族のお姫様が、身分違いの相手に自ら下手に出る、なんてのは、やっぱりあんまりねえ。
ならいっそ、天からどーんと、とことん上からいってしまえばいいんじゃんよ! と。
断わるなんてこと、断ろうという気すら起こさせないような大上段からいってしまえ、もし万が一うまくいかなくてもそれならばそれだわ、的な。いかにもマーガレットさまらしい感じで。
とはいえ、マーガレットさまにしてみれば、結構な大博打だった気はしますよねー。
つまりは、本当に、フランシスさんが気に入ってらしたんですねー。

ある意味、自分を納得させるためになんだかんだ理由をつけて(もう馬鹿な男と結婚するのは嫌だとか)、結局はフランシスさんを単純に手に入れたかっただけな気もしますね(だとしたらマーガレットさま、可愛い方です!)。


なんだかんだで、この外伝では、またおふたりは上手くいくわけですが。
そこには、白虎将軍ジョセフィーヌが襲われた呪詛、も関係していたことが明かされます。
単に、ジョセフィーヌが狙われていたわけではなかったんですねええ。そっかー。
つうか、本当に狙われていて危なかったのは、マーガレットさまのような。白虎将軍の方が目立ってて、わかりやすかっただけな気が(わざわざ目立つように仕向けられてる感じがしないでもないですが)。


しかし思うに、マーガレットさまって、実は天然!? なのかも。
まあ、お嬢様ってのには大体天然がセットになってるのが相場ですからして、そりゃそうなんですが。
マーガレットさまはとんでもなく頭の切れる方だから違うよねー、と思っていたんですが。
やっぱ少し、天然かも、しれませんよ。
しかし、これまた、そんなふり、をなさっているだけなのかもしれないんですが(策士だから!!)。
お相手のフランシスさんは軍師でありこちらもいわゆる策士なわけで、ですから、腹の探り合い的な部分も当たり前にあるわけで、おふたりにとってそれは日常であって、で、恋愛な状況でもそんな感じでいらっしゃるので(そういうのが楽しいんだと思う、お互いに。しかしそういうのが楽しい夫婦って一体・・・)、わざと、弱み、的な部分を見せていらっしゃるのかもしれず。
脇が甘い、感じがするところこそが、女性の可愛いところだと男性は思ったりしますもんねー(それが事実は謀られたことであっても)。
とはいえ、マーガレットさまが上をいっていらっしゃるのは当然なのでしょうから、フランシスさんはどこまでいってもマーガレットさまには敵わないのでしょうから、別にそれがどうってわけじゃないんですけどね。
とはいっても、それって、やっぱりマーガレットさまがフランシスさんを好きってことなわけで。こころをつかみたいと思っていらっしゃるということで。
なんというか、お幸せにー、とか、やっぱ思うものですよ(フランシスさんには拒否権などはなからないのだ!)。
仕える国が違うから、なかなか会えないのかもしれないんですけど、でも会わなきゃなんない理由が必ずひとつ増えることは決まっているわけですし、ひみーつに(ほとんど公然の、だけど)仲良くしていっていただきたいですね。
そういった訳でいうと、フランシスさんは真面目だから浮気しなさそうだし、良いですねー。裏切れない理由が増えますしね。もう、雁字搦めでしょう彼は。
それに、おふたりは適度に離れていらしたほうがよいのかも。マーガレットさまはこれからもとてもお忙しいでしょうし、それに傍でまたいちいちイライラされても逆に困りますしねー(フランシスさんはやっぱり政治に関わりたいでしょうし)。

つまりは、マーガレットさま、お身体お大事になさってくださいませ、ということですな。



そして。
私が、この話でとても興味深かったのは、エリザベスが王位についた頃のことが書かれてあったことですね(その頃に、マーガレットさまとフランシスさんのあれやこれやが起こるのである)。かなりどたばたしてたんですねえ。
とくに、前北鎮侯さま(今の北鎮侯さまの父)とマーガレットさまの関係とか(姪だなんて知らなかったー。じゃカテリーナとマーガレットさまって親戚だったんですねえ)。
外伝1の軍師普侯ジャネットのお話のときから、前北鎮侯さまのことはなんか好きで(ていうか今の北鎮侯さまのことがかなり好きだからというのもある)、出てきてくださってとても楽しかった。
その頃攻めてきた北方蛮族を撃退した、かの有名な作戦!(落とし穴、ですよっっ) のことも少し出てきて面白かったですし。

しかし、ふと思うに、エリザベスはどんな風に育ったんでしょうかー。
アグネスちゃんと従姉妹同士ということは、お母様はそんなに身分の高い方ではなかったんですよねきっと(アグネスちゃんは王都学院で学んでいない。学べるのは大諸侯の子弟だけ)。
お兄様とはそんな仲が良くなかったみたいだし・・・。
うーん、お母様は早くに亡くなられていたりしたりー、でしょうか。そんな、話に出てきませんもんね全然(出てないだけかもしれないけど)。

フランシスさんのいた、前東鎮侯さまの作られた私塾というのも、読んでて面白かったですねー。
そういうのがまた範国にできたらいいのに、と思いました(それどころじゃないかもですけど。次から次へと騒動が起こるので)。




ちなみに、この本は、同人誌です。購入を希望される方は秋津さんのHPへどうぞ。

再びですが、範国って、『女王陛下シリーズ』って、何? と思われた方は →こちら へ



次は、また外伝、の感想を書きたいと思います。
私の大好きなマリアン将軍、のお話です。つうか、王都学院の話、な気もしますが。
大好きなお話です。わくわくしますね~。
いつになるかは断定できませんが、なるべく早く書けたら、書きますのでっ。


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